osimertinibは病勢進行後も継続? or 別の治療にスイッチ?

EGFR遺伝子変異陽性NSCLCに対するosimertinibは、その効果の高さや経口投与という利便性、比較的少ない副作用などの利点から、現在進行がんの1次治療として広く使われている。

しかし、osimertinib使用中に病勢進行が認められた場合、次の最適な選択肢は?ということは未だひとつのCQだ。

この点に関して、最近REIWA試験という興味深い試験結果が報告された(Watanabe K et al. JTO Clin Res Rep 2024)。同報告は、osimertinibを1次治療として使った症例における病勢進行パターンや後治療について解析した多施設前向き観察研究である。進行症例344人のうち、オリゴ転移または多発転移症例(CNS転移のみを除く)、かつ無症状または有症状だが臨床的増悪(PS低下、骨髄転移・がん性髄膜炎・肝転移など主要臓器に危険が及ぶ転移と定義)なしの症例124人について、osimertinib継続 vs 治療切り替え集団を比較した結果、osimertinibを中断しすぐに治療を切り替えた方が、OSの優位な改善傾向が認められたとのことである。

今回の結果だけで議論すると、osimertinibをbeyond PDとして使うことのメリットはあまりないように思える。実際、全例にosimertinib継続が有用なわけではない、ということは言えるだろう。

しかし、同研究はあくまで観察研究であり、無作為化された試験ではない。そのため、予後に影響し得る項目(「次の治療選択を考えるときに考慮されるべき要素」と「実際の治療選択」)に関してバラつきが予想される点は忘れてはならない(下図)。実臨床においては、全例にosimertinib継続のメリットはない、という今回の結果を念頭におきつつも、本当にすぐに切り替えが必要な症例か、それともその他の治療選択肢を考慮すべき症例かなど、個々の慎重な判断が求められるだろう。

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