EGFR変異陽性肺がんの術後治療:最適なシーケンスは?
今年のASCOでADAURAのOSが発表され、益々術後アジュバントosimertinibの処方に追い風が吹ているように感じる。
ADAURAの結果に関して思うところはTwitterなどでも色々とつぶやいてきたので、今回はもう少し大きな視点で、EGFR変異陽性例における術後治療について再考してみたい。
術後にosimertinibを積極的に使った場合に、今後どんなCQが出てくるか
まず、3年完遂後に再発した場合のosimertinib再投与の是非である。
先日publishされたICOMPARE試験の報告の中では術後TKIの再使用が有望視できそうな結果が出ていた(Lv et al. ESMO OPEN 2023)。自身の頭の中では、術後TKIを始めた瞬間からがんの耐性化に向けた準備が始まると想像していたが、少なくとも2年のicotinibでは耐性化は起こっていないようだ。その証拠に、1年継続群と2年継続群で最初までのDFSに差はなく、さらにicotinib再投与後のPFSの期間にも違いは見られていない。
(CTONG1104@ASCO2020のposthoc解析でも、術後gefitinib群の4割弱がTKIのre-challengeを実施しており、ORRやOSがpromisingな結果であったことを思い出した。)
icotinibやgefitinibは第一世代、osimertinibは第三世代TKIであり、耐性機序なども異なるため、3年のosimertinibのデータへの外装性に疑問の余地があることは確かだが、もしかしたら「術後osimertinib完遂→drug free→再発後にosimertinib再使用」がベストな戦略なのかもしれない。
これに付随して、再発後の治療シーケンスはもう一つのCQだろう。