肺がんにおける術後アジュバントosimertinib:DFS延長の意義再考

以前に、「術後アジュバントosimertinib治療に賛成?反対?」というテーマで記事を書いた。(リンクはこちら
実際の承認や、さらなるデータの蓄積なしには詳細な議論に限界があるが、前回の記事から4か月経った今、前回の内容も振り返りながらADAURAの使用について再考したい。

ADAURAは、術後アジュバントとしてのosimertinibが、無病生存期間(DFS)を大幅に延長することが示されたポジティブ試験である。特に化学療法と比べると副作用も管理しやすく長期間服薬が可能であること、また高いCNS透過率による脳転移をはじめとした再発の予防に有効であることが、ADAURAのメリットとして考えられる。
一方、術後にosimertinibを使用し続けることによる医療費負担の増大や長期服薬によるAE発現、QOL低下など懸念点も多く残されている。そのため、腫瘍切除後さらなる治療が必要かどうかも分からない症例全例に、drug freeの機会を犠牲にしてまで術後osimertinibを使用するかどうかに関しては、賛否が分かれるところである。

ADAURAのメリット・デメリット・分かっていないことを図1にまとめたが、今回は特に昨今議論されることも多くなってきた、osimertinibを「どのタイミグで開始し、いつまで続けるのが最適か」という点について考えてみたい。

ADAURAで重要なのはDFS延長効果だけではない

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