二重特異性抗体(Bispecific antibody)
・2つの異なる抗原もしくは同じ抗原の2つの異なるエピトープに同時に結合する抗体分子(図1).
・抗体の抗原結合部位、Fc部位を構造要素として(図2)、現在までに様々なフォーマットの抗体が開発中(図3).
・最初の臨床応用は2014年に米国FDA(日本では2018年)に承認されたブリナツモマブ(抗CD19/抗CD3抗体:図3)であり、血液腫瘍の分野で先行して開発スタート.
・PD-1など免疫チェックポイント分子の発見とともに固形がんへの応用に向けた開発が活発化.
・サイトカイン放出症候群(CRS: Cytokine Release Syndrome)や免疫細胞関連神経毒性症候群(ICANS: Immune effector Cell-Associated Neurotoxicity Syndrome)といった、ICIとは異なる毒性プロファイルに注意が必要.
・2つ以上の抗原を標的とするTri-/multi-specific抗体の開発も進んでいるが、活性や物性、PK/PDの変化など、開発はbispecificよりも更に困難に.

