周術期ICIの開発はどこへ向かうのか?がん種を越えて考えてみる

周術期ICIに関して、承認済みのレジメンを下図にまとめるとともに、今後のCQについて考えてみた。
肺がんに関してはこれまで何度も取り上げてきたが、今回は他がん種まで踏み込んでいる。
(まだまだ勉強不足のため、随時更新予定です。)

TNBC(トリプルネガティブ乳がん)

TNBCの周術期ICI治療においては、最初に術前&術後Pembrolizumab+chemo(KEYNOTE-522)のサンドイッチレジメンが承認された。現時点ではどの集団にPembrolizumabの上乗せ効果があるのかを判断する基準がなく、全症例に術前後のPembrolizumabの使用が推奨されている。
そのため、目下の最大の課題はバイオマーカー探索であると考えられる。つい先日、KEYNOTE-522におけるresidual cancer burden (RCB)毎のEFSデータが報告され(Pusztai L et al. Ann Oncol 2024)、RCBが実臨床における術後Pembrolizumab継続要否として一つの判断基準となる可能性も予想される。
また、術前ICI後にpCRが得られた症例に対して果たして本当に術後介入が必要なのかという点も、医師主導だがOptimICE-PCRという臨床試験によって検討が進んでいる。
更に術後介入が必要な症例においても、Pembrolizumabに加えて、CapecitabineやOlaparib(BRCA1/2変異陽性症例のみ)などの選択肢もあるため、術後レジメンの最適化が必要になりそうだ。

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