腫瘍サイズと免疫チェックポイント阻害剤の効果に関連はある?

  • ベースライン時の腫瘍サイズ(Baseline Tumor Size: BTS)が大きいと、ICI治療の転帰が悪化する可能性を示唆する報告がメラノーマやNSCLCで複数ある.
  • これは、腫瘍量をはじめとした幾つかの要因によるものであり、免疫系によるがん細胞の効果的な排除がより困難になる可能性が示唆されている.
  • ICIの治療抵抗メカニズムの十分な理解のためには更なる研究が必要だが、ICIの有効性予測および併用戦略などにおいて、BTSは考慮すべき重要な一因子となりうる.

ICIの治療効果が治療前のベースライン時におけるBTSと相関するといった報告がメラノーマ(Joseph RW et al. Clin Cancer Res 2018)やNSCLC(Uehara Y et al. Tansl Lung Cancer Res 2022)で複数ある。しかしながら、BTSのカットオフ値や測定方法の統一された定義がなく、データの解釈が困難な場合も多い。BTSの影響をより正確に推定すべく、ベースライン時の① 標的病変の最長径の総和(Baseline Sum of Longest Diameter: BSLD)、② 転移巣の総数(Baseline Number of Metastatic Lesions: BNML)を組み合わせた代用指標を用いて解析を試みた報告もある(Miyawaki T et al. Cancer Med 2023)。
巨大な原発巣がひとつ存在する場合と複数の転移巣が存在する場合では、総腫瘍サイズが同じでも、免疫状態や薬剤の効果は異なることが予想されるため、その定義は重要だろう。

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