体内時計を制するものは、がん治療を制す!?:免疫療法のタイミングを考える

がん薬物療法の要である免疫療法を実施する際、投与タイミングはどこまで重要か?

そもそも生体内には概日リズムが備わっている。Bmal1Clock遺伝子から作られるタンパク質(BMAL1とCLOCK)がヘテロ二量体を形成し、PerCryなどの遺伝子の転写を活性化する(ON)。そしてPERやCRYのタンパク質が増えると、ネガティブフィードバックとしてBmal1とClockの働きを抑制し(OFF)概日リズムが一周する(Pick R et al. Ann Rev Immunol 2024)。

そしてこのリズムに応じて免疫システムもダイナミックに動いていることが基礎的な研究から分かってきている(Wang CL et al. Cancer Res 2024)。例えば、時間依存的なT細胞の腫瘍浸潤やT細胞上のPD-1発現などが報告されており、それに応じて免疫療法(ここでは抗PD-(L)1抗体)の効果が左右される。そして、ヒトにおいて免疫療法が効きやすい環境になっているのは日中、特に免疫が働き始める午前中が良いことが示唆されている。

では、一見免疫療法の投与タイミングに重要と考えられるこれらの基礎的なデータは、現時点でどこまで実臨床に応用できるだろうか。

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