臨床試験デザインにおいて考えるべきポイント整理(その2)
以前の記事の中で、これからの臨床試験デザインにおいて考慮すべきだと思う点についてまとめた。
今回はその中でも特にクロスオーバーにフォーカスして更に深堀りしてみた。
まず前回既に書いた通り、臨床試験でよく使われる「クロスオーバーを”許容”」という表現は避け、義務化または禁止のどちらかにすべきではないかと思う。なぜなら、許容=やってもやらなくてもどちらでもOK、ということになり、個々の医師の判断や患者さんの希望、薬剤へのアクセス状況など、様々な因子の影響によるばらつきが予想されるからである。
この考えを、最近の文献(Desai A et al. Cancer 2024)をもとに詳しく整理すると、クロスオーバーをすべき場合とすべきでない場合は、それぞれ下図のようになるのではないか。