抗腫瘍免疫における腫瘍局所の意義は?:基礎研究の成果をもとに再考

前回の記事の中で、免疫細胞のひとつであるCD4+Tに着目し、[抗原提示細胞]-[CD4+T]-[CD8+T]の三者の協業の重要性について触れた。

今回は、免疫細胞が働く“場”に着目し、特に腫瘍局所の重要性について考えてみたい。

CD8+T細胞の活性化の場としての腫瘍局所

ICIが登場した当初、がん細胞のチェックポイント分子とT細胞との相互作用ばかりがフォーカスされがちであったが、その後リンパ節、とりわけ腫瘍ドレナージリンパ節(TDLN)の重要性が明らかになってきた(関連記事はこちら)。T細胞のprimingおよび腫瘍特異的T細胞の供給という重要な役割を担っているTDLNこそが、ICI本来の作用点とも考えられている。

では、腫瘍局所は単なる腫瘍特異的T細胞とがん細胞の戦場なのだろうか。

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