術後アジュバント治療の要否判断や効果判定にctDNAは応用できるか?
診断技術の進歩に伴い、がん患者の多くが早期に診断され、根治的手術を受けることができるようになった。しかしながら、術後再発率の高さは依然として克服すべき共通課題と言える。術後の病理診断や病期分類によって、患者が術後補助療法を受けるかどうかが決まってくることがあるが、完全切除後に術後補助療法を施行すべきかどうか判断が難しいケースも出てくると思われる。
その術後補助療法だが、クリティカルな問題がある。辛い副作用や治療費といった”毒性”リスクを負う患者から「自身には治療が必要なのか?(治療前)」「効果が本当に出ているのか?どうやってわかるのか?(治療中)」「治療効果はあったのか?(治療後)」と聞かれても答えに窮してしまう。特に最近ではTKI(~3年間)やICI(~1年間)といった比較的長期にわたる治療レジメンも登場しつつあり、長期間の治療によるQoLの低下も懸念される点だろう。
この”不確実性”に対し、現在進行中のものを含む下記4がん腫でのctDNA関連の試験情報を簡単に整理してみた。