免疫チェックポイント阻害剤の投与はいつまで継続すべきか?(その2)
進行期固形がんに対する免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の最適な継続期間について、先日興味深い論文が報告された(Taieb J et al. J Immunother Cancer 2025)。
この話題は以前の記事でも取り上げたが、この機会に前回考察しきれなかった点について深堀りし、考えをアップデートしてみたい。
今回出た論文は、dMMRまたはMSI -Hの転移性大腸がんを対象に、短期治療中止(ETD)群と長期治療(LTD)群の転帰をリアルワールドデータを使って後ろ向きに解析したもの。結論としては、PFS・OSいずれにおいても、両群で統計的有意差はなかった(PFS: HR 0.92, p=0.69; OS: HR 1.15, p=0.62)。後ろ向き解析でありながら、両群の患者背景のばらつきが小さく、多変量解析等においても同様の結果であったことから、信ぴょう性は高そうである(患者背景は後でも詳しく触れる)。